片想い同盟


「関わる女子、選ぼうと思って」

「……うん、なんかそれはチャラ男発言な気が」

「バカ、違ぇよ」


軽くおちょくってみたけれど、拓海は珍しく真面目な顔。



「……誰にでもいい顔してたら、本気で仲良くしたい奴に迷惑かけるだろ」


ポツリと静かに呟いたその言葉には、なんだか思い当たる節があった。


白石さんのことかな、だなんて考えもよぎったけれど、たぶん違う。


……自惚れだったら、ちょっと恥ずかしいけれど。



「ねぇ、もしかして……。この前の体育祭のこと、気にしてる?」

「バ……ッ!別にそういうわけじゃ」


なんとなく頭の中にあったそれを口に出すと、拓海はわかりやすいくらいに早口になった。


< 178 / 341 >

この作品をシェア

pagetop