29歳夫の恋,(キケンな夫のロマンス的な嫉妬‼)

危な愛

短い貴重な休みを取った為仕事は
山ずみ、毎日帰るのが遅くなっていた。


ふとマンションの前を見ると女の人
が黒い影になり見えていた。


「ん?...誰だ?こんな時間。」

不審な気持ちを抱きつつ、近づく。

紙袋を下げビジネスバックを脇に
抱えマンション入口に、近づくと
彼女は、俺の名前を呼んだ。

「蒼生?」
すれ違いざまに名前を呼ばれ振り返る。
暫く見っめ合い。



アーッ‼香織‼

マンションの灯りの下、見知った顔
があった。

香織はショートボブの栗色の髪を
揺らし、まあるい目を垂れさせ昔と
変わらぬ笑顔を見せた。

俺はこの笑顔が大好きで良く笑わせ
ていた。
159の身長は相変わらずで白の
フレアスカートが揺れていた。



「香織何で・・・N.Yにいる?」

「ママに聞いたの〃‼
蒼生が何処にいるか教えて
くれなかったから、
おじ様に聞くって言ったら
渋渋、教えてくれたの。」


「そう・・・」

しばらくお互いを見つめあったまま
少しの時間が流れた。


「お腹空いてないか?
食べに行こうか?
遅いから、軽くでいい?」

あ「うん。」

「ホテルは何処?」
傍にあるキャリーバックを見て聞い
てみた。まだチェックインした様子
が無い。

「ホテル、取って無いんだ、
蒼生の家に止めて、私達
他人じゃないし・・。」

「他人じゃ無いけど血は繋がって
無いし 誤解されちゃまずいだろ。

・・・・・・

今日は、仕方ないけどホテルは
取ったがいい。」

そう言うと香織は少し寂しそうにし
ていたが

「分かった。」
と頷いた。





香織と俺





「香織、コレ蒼生君にも作ったから
持って行きなさい。」

「お母さんありがと‼
蒼生のママ最近忙しいらしいの
夜も遅いから
お弁当よく買ってるんだよ。」

朝のバタバタした時間。

「あなた、遅くなるわよ。
はい、お弁当。」


「何時もありがとうミカ。」
香織の父親、慎吾はミカに軽くキス
をすると

「今夜も接待で遅くなるよ、すまん。」


「何言ってるの、私達の為お仕事
頑張ってくれてるんだもの、無理しないで
ね!」


ミカはニッコリ笑うと慎吾を玄関迄
送る。

「行ってらっしゃーい。」

明るく元気なミカを慎吾は軽く
手を振りながら振り返り振り返り
香織より少し早く家を出る。



香織は、ポニーテールを揺らしなが
ら高校に持って行くお弁当を二っ受け取りミカに可愛い顔を見せた。



「蒼生のママ、キャリア、ウーマン
だから 夜も残業で、遅いらしいよ。」


「まあ、まあ、そうなの‼
菜々香ったら仕方ない。

親友の子供だし、お弁当はお母さ
んが作るわ。
それに、香織の旦那になるかもニコッ
だもん ね。」



「もう‼
胃袋で蒼生を釣る気
確かにいい方法ねっ❤。」

「ほらほらー、蒼生くんが来たわよ。」

2人をバタバタと送り出したら
やっとテレビをつけてミカの朝食が
始まる。

至福の時間、芳醇な珈琲の香りが
忙しかった朝の終わりを告げる。







香織と、蒼生は幼なじみって言うか
母達が親友で家族ぐるみで仲良しだった。


旅行や大きな遊園地にも2家族で
出かけた。
香織は、蒼生と一緒に育ってきた。


うちのパパも帰りが最近遅い、
受験勉強しているとコンビニで、
お菓子や、おやつを買ってくる。
娘に甘い父親と、母が良く笑っていた。


大学の合格発表の日、蒼生一家と
お互い合格の結果を受け、お祝いを
した。

父親も母も大喜びしていた。
蒼生の家族も勿論!

仲のいい家族同士だった。
それ迄一緒の進学校だったけど
蒼生は某有名な大学へ
香織は、芸大へと進んだ。




学校は離れたけどいっも会っていた。
香織はいっ蒼生に告られるかと
ソワソワしていた。

彼の友達にも彼女と認識されていた
様で飲み会や、蒼生のいる所には良く出かけていた。



ある日遂に蒼生が言った。
其れはどうしても見たい映画が封切りになって、ドキドキしながらでかけた日。



待ち合わせの場所に行くと
蒼生は女の子に囲まれて話して居た
けど私を見つけると、

「じゃあ、彼女来たから。」
と、手を上げてかけて来た。


羨ましそうに睨んで来る彼女達を
振り切って手を絡めて歩いた。


その時
「大学出たら結婚しょう。
俺はずっと香織が好きだった。
やっと、ハハ言えたぁ!๑′ᴗ‵๑」



その時ずーーーっと待っていた告白
を聞いた時嬉しくて泣いてしまった。


「どした?どした?香織、香織」
蒼生はビックリしてジタバタしていた。

「うん。うれしくて
有難う。待ってて良かった。」


「何だよ!
分かってただろ。
長い付き合いなんだからさ。」

香織は嬉しくて嬉しくて
幸せだった。


その日蒼生と幼なじみの恋人になった。

映画に行ったり、2人で旅行に行ったり
蒼生は、見た目と違い真面目で好青年、モテまくりだったけど、香織はそれで良かった。



蒼生の性格を知っていたし、
自分を愛してくれているのは愛情の
深さで感じていた。


蒼生は、浮気するタイプじゃ無い。



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