似非王子と欠陥令嬢
「また本来受注出来る依頼は本人のランク毎の難易度に合った物のみとなっておりますが、パーティーを組まれる際はそのパーティーの1番上位ランクの方に合わせた難易度の物まで受注出来ますのでご了承下さい。」

「えっとじゃあ俺達はリアムのシルバーランクに合わせた依頼まで受けれるって事か?」

「そう言う事だ。
明日の早朝には森へ入りたいんだろう?
なら今のうちに依頼を受注しておくか。」

そう言うとリアムは掲示板に行き張り巡らされた紙をふむふむと読み込んでいく。

「一気にランクを3人分上げるとなるとこの辺りが良いんじゃないか?」

そう言うとリアムは掲示板から紙を2枚剥ぎレオンに渡す。

「なになに?
『 ゴブリンの集落での討伐』と『マンティコアの群れの討伐と毒針の採取 』?」

「ああ。
これは両方1体の討伐に付きポイントが貰えるから殲滅させれば3人分のブロンズランクまでの得点には軽く届くはずだ。
ゴブリンの集落の場所とマンティコアの群れが発見された場所も近いしこれなら恐らく4日以内に終わらせられると思う。」

「なるほどね。
じゃあそうしようか。
キャロもそれで良いかな?」

キャロルもこくりと頷きリアムがそのまま紙と自分の財布から出した銀色のカードをお姉さんに手渡す。

「それでは確かにこちらの2件の依頼の受注と皆様のパーティー登録が完了致しました。
気を付けて行ってらっしゃいませ。」

お姉さんの笑顔に見送られ冒険者ギルドを後にする。

外はもう陽が落ちていた。

「でどうする?
このまま今日は宿を取るのか?」

レオンの言葉にリアムが首を振る。

「いや、早朝に出発するなら野営の荷物や携帯食なんかは今日のうちに用意しておいた方が良い。
俺はテントやなんかを買ってくるからそうだな…レオンは泊まれる宿を探しておいてくれ。
4人分となると部屋が空いてるか分からないしな。」

「じゃあ私は携帯食の買い出しとついでに金物屋で調理器具でも買ってくるよ。
1時間後にこの広場に集合にしようか。」

「そうですね。
ついでに馬を借りて来て頂けますか?
さすがに4日分の荷物を背負って歩くのはキャロさんには厳しいでしょうし正直俺も遠慮したいので。」


「分かったよ。
じゃあまた1時間後。
さっキャロ行こう?」

突然ルシウスに声をかけられ自分は何をしようか考えていたキャロルは顔を上げる。

「ほら、一緒にお使い行こうね?」

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