神様、お願いです。
神様。




私は、小さい頃からひねくれていて、変わっていると言われてきました。




友達はいたけど、遊ぶ約束を破ってしまったり、陰で悪口を言ったり、自分勝手なわがままを言って、友嫌に思いをさせたことがありました。



そして、中学3年生に上がってようやく、自分の行いを客観的に見ることができるようになり、少しは大人になれたのだと思います。



でも、その頃から、心を閉ざすようになりました。



気付けば私はいつだって、結局最後は一人になる。



大勢でいても、少人数でいても、一人になることに変わりはない。



それなら、もう最初から一人でいよう。



そんな考えを持ったまま、私は高校生になりました。




初めて会うクラスメイトの仲間たち。




色んな人が、私に声を掛けてくれました。



「どこの中学出身?」「部活何やってた?」
「今度遊ぼうよ」「お弁当一緒に食べよう」



とても優しい人たちでした。








でも、私はその人たちの好意をそのまま受け取ることができず、こう言いました。





「私、一人がいい、一人が好きだから」





もちろん、休憩時間は一人でいました。
お弁当も一人で食べていました。





高校生になってからは、今までサボっていた勉強を人一倍に頑張り、クラスでも1、2位を争うほどになりました。




とにかく、色んなことを頑張りたかった。



あの頃のダメな自分を見返してやりたい。


そう思っていました。







そして、ある時。
思い立って、とある少人数の部活動に入部しました。




そこには数人の同級生もいました。





皆、友達同士でいましたが、私は一人でした。
でも、平気でした。




平気のはずでした。







心を閉ざし、プライドも高くなっていた私の振る舞いは、今思えばひどいものでした。




何も変わってなどいません。




メンバーを下に見るような陰口、悪口。






とうとう、自分が普段、メンバーに対して思っていることがバレる事件を自分で引き起こしました。



辛くなるから詳しくは言いたくないけど、



自業自得でした。



最低なことをした、と気付きました。



罪悪感と、自己嫌悪でいっぱいでした。




もう、嫌われた、見放された、無視される。
自分がやったのと同じに、向こうも自分の陰口を言うに違いない。






そう思っていましたが、実際は違いました。






先輩たちも、同級生も、怒りはしませんでした。



私は泣きました。



メンバーの前で泣きじゃくりました。




むしろ、メンバーの人たちは優しかったのです。



「大丈夫だよ。皆気にしてないよ」


「何か、悩んでいることあった?」


口に出せなかったけど、やっぱり私は寂しかったのです。



ひねくれ者の私はその優しさで頭がおかしくなりそうになり、悲しみなのか、怒りなのかよく分からない感情が心に込み上げていました。




事件の後、私はひっそりと部活を退部しました。



同じ学校の中ですから、メンバーの人とすれ違った時は心臓がいつもばくばくしていました。




それから、また私はトラブルを起こしました。



今度はクラスの女の子とでした。



その子はとても優しく、それでいてよく笑う明るい子でした。



その子は中学の時にいじめや人間関係のトラブルに合い、辛い思いをしたことがありました。



私はその子の優しさに甘え、一緒にいるときはずっと部活のメンバーの悪口を言っていました。



でもある時、私の些細な一言が原因で喧嘩になりました。



今思えば、どっちもどっちだったのでしょうが、私は絶交の道を選びました。




そして、私は本当に一人になりました。




もう、話を聞いてくれる友達はいません。



一緒に遊ぶ友達もいません。



それでも、私は強がっていましたが、とうとうストレスで情緒不安定になりました。



授業中、訳もなく私は泣き出しました。



まるで、あの事件の時みたいに。




でも、その時保健室に連れていってくれたのが、喧嘩して絶交したはずのあの子でした。




その時、自分の考えがようやく間違っていることに気付きました。




間違っていることに気付いた途端、心が少し軽くなった気がしました。




当時は高校3年生、就職活動がちょうど始まる夏の頃でした。




精神的にはキツかったのですが、トップの成績と皆勤賞のお陰で、第一志望のそこそこ良い会社に内定が決まりました。


その頃にはすっかり教室が嫌になり、時折保健室に逃げたりしていましたが、社会人になった時は、もうあんな考えは捨てて、友達をどんどん作っていこうと密かに考えていました。



そして今、ちょうど社会人2年目になる頃。

2、3年前の時とは違って、同期のメンバーで遊びに行ったり、会社の先輩たちとご飯をよく食べに行きます。


もちろん、高校や中学の友人とも時々連絡を取り合っています。


今なら言えます。


私は変わりました。


人間関係も、価値観も、考え方も。



あの頃よりも、幸せです。


とても幸せです。






そうであるからこそ、神様にお願いがあります。





自分で引き起こしたこととはいえ、もうたくさん涙を流すのは嫌なんです。



これからは人の悪口は言いません。



明るい笑顔でいるようにします。



誰にでも優しくするようにします。







もう、あれ以上の苦しみや悲しみはいらないんです。


辛いことや嫌なこと、しんどいことはもう嫌なんです。





自分勝手だって分かっているけど、


生きていく上で避けられないことは分かっているけど、




神様、お願いです。






どうか、私にこれ以上の苦しい試練を与えることはしないでください。




本当にお願いです。





もう、いいんです。十分なんです。




わがままは言いません。











今のままでも、十分幸せだから。














神様、お願いです。




< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

もしも、風船になれたなら
paya108/著

総文字数/556

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

表紙を見る
言葉にしなければ気が済まない
paya108/著

総文字数/675

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop