あいいろ
いつも通り、パチ屋で暇を潰す。
しかし、今朝の考えを思い出して、イライラしてきた。
俺達、道見えてんよな。
どっちかが切り出せば…終わりだよな。
「アレ?タツヤじゃね?」
俺を呼ぶ、少し懐かしいような声がした。
「よぉ、タツヤ!久し振り」
「?おー!洋じゃねぇか、久し振り。」
声の方向を向くと、高校時代のクラスメートの洋だった。
「お前がパチンコなんて、意外だな?」
「はは、そうか?」
「おう、仕事は?どうなんだよ?」
洋は、俺にそう聞きながら、隣りの台に座った。
洋は昔からヤンキーというか、やんちゃで。
パッと洋を見ると、オレンジの髪色に、タトゥー。
ピアスなんか何個開いてんだか。
眉ピに口ピ。
とりあえず、パッと見、関わりたいとは思わない奴だ。
「…辞めてるよ。」
「えっ?まじ?マミコちゃんと別れちゃった系?」
「ははっ、なんでだよ。別れてねーよ。」
「金とかどーしてんの!?」
「あー…マミコが稼いでる」
「じゃ、今の時間帯は家にいる訳?」
「そーだろなぁ」
久し振りに洋と会話をして、少しイライラも落ち着いて来た。
そう思ったのも束の間
洋は俺の図星をついてきた。
「えっじゃあ、あんまり家でも会話とかエッチもキスも無い系?」
「…何言ってんだ。」
少し、笑いながら答えた。
「イヤ、コレまじで答えて!!どーなの!?マミコちゃんの職場とか知ってんの!?」
「…無いよ。職場も、知らない。」