俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
清々しいのはよく晴れたからか、それとも涼真とのデートに浮かれているからか。
待ち合わせは昼前だというのに、会社へ行くときより早く目覚めてしまい、メイクや着替えにも時間をたっぷりとかけた。
おかげで、いつもよりまつ毛はくるんときれいにカールし、肌ツヤもよくメイクが仕上がった。どこへ行くか知らされていないので服装に迷ったけれど、長めのシャツワンピにカーディガンを羽織り、足元はローヒールのパンプスを合せることにした。
いつもはおろしている髪をラフにまとめ、少しだけ前とは違う雰囲気をだす。少しでも涼真をドキッとさせることがいいな、なんて思いながら。
待ち合わせ時間より早めに駅へ着くと、そこには涼真ではなく、思わぬ人が立っていた。
「えっ、か……上崎さん?」
どうしてここに? でも、私じゃなくて他の人を待っているのかもしれない。
もう二度と会いたくなかった上崎さんの姿を見て、ただ立ち尽くしていると、向こうが私に気づいてこちらに歩み寄ってきた。
「やっと会えましたね。あれからメッセージを送っても無視されるし、電話にも出てくれないし。どうしようかと思ってたんですよ」