笑顔でいいの?
ウワァ!

派手なお姉さん達だなぁ。

幼稚園の先輩達が、大人に見えてたけど

そうは言っても、一つ違い。

目の前のお姉さん達は

たぶん私よりも、10歳は上のはずだから…………

かなり大人の女性だと分かる。

「ねぇ、飲みに行こうよぅ。」

「圭さん。
いつまでお店休むの?」

「だったら、お店で飲もう!!」

口々に圭ちゃんを誘ってる。

話しからして…………

お店のお客さん。

チラッと私を見た髪の長いお姉さんが

「ねぇ、圭哉。
この子は?」って。

別に良いんだけどね………

圭ちゃんを呼び捨てって………ちょっと気になる。

もちろん『彼女』って言ってもらえると思ってたのに

圭ちゃんの答えは…………

「妹。」

えっ!!

びっくりして圭ちゃんを見ると………

知らんぷりしてお姉さん達と話し続けてる。

ウソ…………。

私のショックなんてお構いなしに

さっきまでと、うって変わって猫なで声を出して

「なんだぁ、妹さん。」

「可愛いね。」

「幾つ、幾つ?」と聞いてくる。

妹。

自分だって『お兄ちゃん』だと言っていたのに………

スッゴいショック。

クルリと踵を返すと、列から外れて…………

家路についた。
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