恋愛王子の落とし方
埋めようと中庭に行くと宮島くんが何かを必死で探していた。

地面を掘ったり、辺りを見渡したり。

もしかして……………!

「これ探してるの?」

宮島くんの前に手紙を差し出した。

「これをどこで!」

「今さっき掘り起こしちゃったのよ」

宮島くんは大事に手紙を抱えた。

「何よそれ」

宮島くんは一瞬、目を見開いて、地面に視線を落とした。

「……………大事な人との思い出の品です」

「女の子?」

「はい」

やっぱり宮島くんにいたんじゃん。

大事な人が、大切にしている人が。

「そうなんだ」

そう言うことしか出来ない。

それから微妙な空気のまま帰った。
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