恋愛王子の落とし方
サキが来てからはバレンタインの話で持ち切りだった。

「バレンタイン、バレンタイン言ってるけど、ウィンターカップは終わったの?」

「うん。決勝戦で負けちゃったんだ…………」

「あ、ごめ……」

「いいよ、もう終わったことだし。それに切り換えて皆、練習頑張ってるから」

「そーなんだ」

そうだ。

ヒナタ以外のバスケ部員にも義理チョコあげなきゃ。

義理っていうのはあれだけど毎年ずこい数のチョコ貰ってるしね。

「何作る?」

「私は生チョコ作ろうと思ってる」

ミナはそう言っている。

「私はマカロン作ろうかな」

だって、マカロンには『あなたは私にとって特別な人です』って意味だもん。

ヒナタは私のことを大事にしてくれる。

それを伝えたいんだ。

まあ、これをあげて伝わる伝わらないは別として。
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