Romantic love
結局、そらくんが現れる気配も、電話が鳴る様子もないまま、1日が終わった。

そろそろ午前1時だ。

いい加減もう寝よう、そう思ってベッドに入り、部屋の電気をリモコンで消した瞬間。

カタカタ……と、何かが小さく振動するような音が始まった。

それからすぐに、ベッドが横に揺れ始める。

……地震?

もしかして、これって!

私は、揺れが収まるのを待つこともしないで、電気をつけて布団から飛び出た。

そして勿論、クローゼットの前に立つ。

今日の揺れはすぐに収まった。

あと少し。

あと少し待てば、きっとクローゼットが開くはず。

開いてくれないと困る。


──揺れが収まって5分くらい経っただろうか。

もしかしたら1分も経ってないかも。

心待ちにし過ぎて、もう時間経過なんてわからない。

…………ガタッ

小さな音をたてて、クローゼットのドアが開いた。
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