“愛”の色は、何色ですか?


“ガチャリ” 


「こんばんは。ごめんねこんな遅くに。
今大丈夫だったかな?」


「あ、はい。どうぞ。」



小西さんと会うのは、タロウちゃんがなっちゃんを殺した犯人だと分かって、

警察へ連れて行かれたあの日以来だった。



「ごめんね全然挨拶に来れなくて。
ちょっとバタバタしてて。」


「私の方こそ・・・・・。

小西さんや真田さんには凄くお世話になったのに、こちらから伺えなくてごめんなさい。」


「ううん。気にしない気にしない。」


「あの・・・タロウちゃんは・・ホントに・・なっちゃんを・・・?」


「そうだね。

ナツコちゃんを金属バットで殴って火を点けたのは・・・

そしてあの日、君が帰宅した時に鉢合わせした男は木暮タロウで間違いない。」


「・・・そうですか・・・・。」


「それで、今日は大事な話があって来たんだ。」


「・・・なんでしょうか?」





「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・?」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・小西さん?」




・・・・なんだろう・・?

小西さんが黙ってしまった。




「・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・。」



この感覚は・・・
あの時のなっちゃんに似てる・・。


『サトシお兄ちゃんに告白する』


なっちゃんが私に打ち明けてくれたあの時のような・・

何かを言おうと・・でも・・少しためらっているような・・

そんな空気を肌で感じ取った。



「ミハルちゃん。」


「・・はい・・・。」



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