私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「ちょ、一護!」

だってそうしたら、お姉ちゃんは必ず笑ってくれるから。


お姉ちゃんは小学生から中学生になり、高校生になった。
それでも僕たちはいつだって仲良しだ。

「彼氏欲しくないのって、私には一護がいるしー」

お姉ちゃんはよく、僕のことを彼氏だって言う。
それって番ってことでいいのかな。
僕もお姉ちゃん大好きだから、そうだったらいいな。


高校を卒業したお姉ちゃんは、大学生になった。

「ときどき、帰ってくるから忘れないでねー」

そう言って僕をぎゅーっと抱きしめた日から、お姉ちゃんは帰ってこない。
お父さんとお母さんから、お姉ちゃんは遠く行ったからたまにしか帰ってこないんだよって言われた。
それでも僕は、毎日毎日、お姉ちゃんを待っていた。


「一護、久しぶりー」
< 308 / 312 >

この作品をシェア

pagetop