私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「は?」

いや、さっき付き合うって返事はしましたが、ただそれだけで。
しかもいきなり、ですか?

「いえ、今日は帰りますので。
運転手さん、……!」

いきなり、遮るようにその唇で口を塞がれた。

「なにするんじゃー!」

――バッシーン!

狭い車内に、私が頬を叩いた痛そうな音が響く。

「いってーな」

いや、痛いならそんな顔して?
叩かれた頬を押さえて、愉しそうにニヤニヤ笑わないで?

「じゃじゃ馬を乗りこなすのも燃えるんだけど」

ニヤリ、と京屋部長が右の口端だけを上げて笑い、身の危険を感じる。
なんか私、早まったことをしたんじゃないだろうか。
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