私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
第1章 昔の彼の生まれ変わり?
「なんか違うんだよなー」

目の前の男はまた、ぱくっとスプーンを口に放り込んだ。
たぶん、私以外の人間からみればいい男。
無造作に掻き上げてオールバックにした黒髪に、ブロータイプのメタルハーフリム眼鏡ができる男を演出しているし。
実際、この春に三十二歳で部長に昇進したんだから、できる男なんだろうけど。

……知るか、そんなこと。

打ち合わせだって、勝手に部内の会議室に連れ込まれ。
ひとりでぶつぶつ言っているこいつの前に座っていること早三十分。

――いや。

仮にも上司にこいつ、は失礼か。
しかも向こうは私よりもずっと年上なんだし。

「こうさ、こう……。
いまいちピンとこないんだよなー」

いや、ピンときていないのはあなただけですが。
そもそもなんで、今朝の会議で決まったことをいまさら、再考せねばならん?
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