アナログ恋愛
変化



「えぇー…桔平はぁー?」


…何回目だろう。この反応。


「ですから、先輩は他の仕事が忙しくて…。あたしが代わりに頼まれたんですよ。」


引きつらないよう注意して、笑顔をつくる。

最初こそ、「あぁ…先輩モテるんだな。」ぐらいに思ってたけど。
3日も続けばさすがに疲れる。

目の前の先輩はバリバリのつけまつげを揺らし、グロスでテカテカした唇を尖らせた。
あぁぁ…とことん あたしの苦手なタイプだ。



「てゆーか、桔平の手伝いならエミがいくらでもやるのにぃー…。」




-じゃあ代わってよ、という言葉が出そうになるのを、必死で堪えた。


< 22 / 78 >

この作品をシェア

pagetop