先生と準備室
「藤井が嫌いだからじゃない。
先生が俺の気持ちを知っての行動だ」

その言葉が耳に届く瞬間に涙が流れた。

「黒田くん…ごめんね…避け続けて…」

「ううん…俺が悪いから全然良い。
それに今話せてるだろ」

「ごめんなさい…」

「そんなことより、先生に会わなくて
良いの?まだいるんじゃない?」

「あ…」

「行ってきな。」

「うん!ありがとう、黒田くん。
そしてごめんなさい」

私は屋上を飛び出して"あの"準備室に

走り続けた。

「返事いらねぇよ…藤井…」

そんな事を黒田くんが言っているなんて

知らず。
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