インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
「私も今は尚史のこと大好きだって言っても?」

「……ダメ。もっともっと俺のこと好きにならなきゃ許さない」

尚史は私の腰を抱き寄せながら耳元で熱っぽく囁き、その唇で私の唇をふさぐ。

抱きしめ合って貪るように舌を絡め、とろけそうなほどの甘いキスをした。

尚史が心の底から私を求めていることが唇から全身に伝わって、私ももっと尚史と触れ合いたいと思う。

長いキスのあと、尚史は私を強く抱きしめながら、ため息混じりの切ない声で「好きすぎてつらい」と言った。

「私、尚史が思ってるよりずっと尚史のこと好きだよ」

「じゃあ許してやる。まぁ、好きの度合いで言えば俺には敵わないだろうけどな」

「そんなことないもん。これからもっともっと好きになるから、覚悟しててよね」

「望むところだ」

尚史は大きな手で私の頭をクシャクシャと撫でながら、嬉しそうに笑った。

尚史が嬉しそうに笑うと私も嬉しくて、胸が甘いうずきでいっぱいになって、もっと心と体の奥の深いところで尚史と触れあえたらいいのになと思う。

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