インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
今でこそ私は小柄な方だけど、小学校高学年の頃は大きい方だった。

特に4年の終わりから小学校を卒業する頃までは身長もかなり伸びたし、胸も腰回りもどんどん丸くなって、5年の秋には生理が始まり、自分の体の急激な変化に戸惑ったものだ。

高学年になると尚史は私の背を追い抜き、中学生になって少し経った頃には、私は尚史を見上げるようになっていた。

身長が大幅に伸びただけでなく、肩幅は広く手足は長く、声も低くなって顔もひきしまり、どんどん大人っぽくなっていった尚史が、女子からモテたのは言うまでもない。

お互いに成長して体がどんどん大人に近付いても、私たちは小さい頃と変わらず仲良しで、いつも一緒に遊んでいた。

「尚史、中学のときすごいモテてたよね」

「さぁ……。好きだとか付き合ってくれって何回か言われたけど、直接言われた以外は知らないから」

「普通は人生を通して数えたって、そんなことをそう何回も言われないと思うよ」

「でもその頃の俺はまだ『好き』とか『付き合う』の意味がよくわからなかったし、よく知らない女子に好きとか言われても、俺の何を知って好きとか言うんだろうって思ってたんだけど……」

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