未来の約束
それから少しして、あたし達は事務所を後にした。

途中、花音と別れ、１人夜道を歩く。

花音と一緒に居たときは思い出さなかったが、先程の桐島の顔が浮かんでくる。

どうして、桐島はあんな顔をしたのだろう？

ふとした瞬間に、何故かいつも桐島のことを考えてしまう。

桐島みたいな意味不明な人間に、出会ったことがないから、ただ気にかかるだけ･･･

出会った初日にキスをしてくるような人間に、毎回出会っても困るが･･･

そんなことを考えていると、いつの間にか自宅のマンション前で、見覚えのある車に足が止まる。

まさか、ね。

何て思いながらも車を見ていると、運転手が降りてくる。


「いつまで残業してんだよ」


そんな嫌みを面と向かって言ってくるのも、やはりこの男が意味不明な人間だからだ。

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