未来の約束
「はぁー、やっと終わった」


隣からそんな声が聞こえ、あたしは鞄に荷物をまとめる。


「お疲れ。終わったなら、早く帰ろう」

「付き合ってくれて、ありがとう」


会社の規定で、1人残業は禁止とされている。

なので、必ず両方の仕事が終わるまで待つ。

待たせるのが花音の時もあれば、もちろんあたしの時もある。

だから、別にどうってことない。


「いいえ」

「たまには、定時に上がってみたいわ」


近年、定時に上がれたことなんてない。

朝は早いし、夜も遅い。

残業がつくので給料やボーナスは良いが、疲れているのでお金を使う暇もないのが現状だ。

このままいったら、早期退職しても、遊んで暮らせるだろうな。

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