未来の約束
特に会話をすることなく、レトロなレストランの駐車場に車が停まった。

ここ、来たことがあるような・・・

ドアを開けると、カランッと何処か懐かしい鐘の音色が耳に届く。


「いらっしゃい」


優しそうなおじさんが、カウンター越しに声を掛けた。


「何名・・・って、浩太かよ」

「仕事しろよな、宇野」

「客として来たくせに、説教かよ。変わんねぇな」


優しそうなおじさんと同じ服を身に纏った宇野と、桐島は話し出す。


「珍しい。女連れ?」


あたしのことを見た宇野と視線が合ったので、小さく頭を下げた。


「美和ちゃんじゃん」


え?


「俺、宇野。覚えてない?」


そう言われても、全く記憶にない。


「・・・ごめんなさい」


都合の悪くなったあたしは、苦笑いで逃げることしかできなかった。

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