世界No.1の総長と一輪の花





何分か経った頃、いきなりガラッと空き教室の扉が開かれた。




あまりにも急だったから思わず心臓がドキン!と跳ねた。




「あー!イチャついてる~」




そう言いながら空き教室に入ってきたのは倫也。その後に続いて入ってきたのは竜二さん、京子、明日葉。




今は授業中のはずなのに、まさかの幹部全員集合。




「……教室にいないと思ったら…ここにいたのか」




「邪魔してごめんね?詩優、花莉」




呆れ顔で言うギプスをした竜二さんと、にやにやしながら言う京子。




「…ほんとタイミング悪い」




詩優はそう言ってから私を抱きしめていた手を解くと、頭に手を乗せてゆっくり撫でてくれる。




みんなに見られて恥ずかしい…




「俺と花莉、付き合ってるから」




さらっとみんなに向けて言う詩優。




「やっとか~」


「ほんとよね~」


「…妃芽が幸せならそれでいい」


「え!?いつから!?」




明日葉が信じられないといった顔をして私たちに近寄る。




「昨日告って付き合った」




私の頭を撫でながら答える詩優。私は動物か何かだろうか……




撫でられるのは好きだけど……




< 231 / 599 >

この作品をシェア

pagetop