世界No.1の総長と一輪の花
*
学校ではすごい騒ぎになった。
そして、次の姫の座を狙おうと
「詩優さまぁ♡」
「お荷物お待ちしますわ!!」
「今日の放課後デートしませんか?」
と女たちが近づいてくる。
それを全部無視して空き教室へと入った。
空き教室にはすでに竜二と倫也がいた。
「"夜瀬の詩優さんが妃芽乃さんと別れたって噂は本当ですか!?"だってさー、朝から聞かれたんだけど」
倫也はだるそうに椅子に座って、扇風機の風を1人で独占する。
「…そっか」
「っていうかさ、本当の本当にそれでいいわけ?」
「…これでいい」
「ひめちゃんが誰と付き合っても同じこと言える?」
……花莉が幸せなら、それでいい…
けど、今はそんなこと考えたくねぇな…
「詩優。あれ見ろ」
そう言って窓の外を指さすのは竜二。
俺は竜二の指さした方を見ると……
窓の外にいたのは花莉と、一人の男。
中庭にある自販機の近くで、一人の男が花莉に何かを言って詰め寄る。
…たぶんそれは告白現場。