可愛い上司
ついつい嬉しくて、私も笑っちゃう。


食後、先生は自分の部屋でお仕事。

「先生、コーヒーお持ちしました」

「ありがとう」

眼鏡の奥の目が、眩しそうに細くなる。
それだけでいまだに、どきどきしてしまう。

「どうか、した?」

不思議そうに先生の首が傾く。

「……先生は狡いです」

「僕、なんかした?」

先生は困っている。
そういうところが、また。

「私ばっかりこんなにどきどきして」

「えっ!?」

わけがわかっていない先生にかまわずに、強引に唇を重ねる。
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