ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】

想定外のトラブルはあったものの。
その後が順調に進んだおかげで、遅れをカバー。


日が傾く前に、すべての撮影を予定通り終了することができた。



「ありがとうございました。皆さんのおかげで、いいものができました。ウェブページのアップはちょうど1週間後、来週の金曜になりますので、ぜひご覧になってください」

室内に満ちる拍手の中、満足げな樋口さんが帰って行き。
後に残った私たちは、さっそくお片づけだ。


「お疲れ様でした」
「楽しい仕事でしたねー」
「あの水は、あり得なかったけどね」
「確かにー」
「今度打ち上げでもやりませんか? このメンバーで」
「いいですね、ぜひ!」

仕事が終わるたび、スタッフ同士、距離感はぐっと近くなって。
それは結構、嬉しかったりする。

今回はトラブルがあったし、期間も長かったし、達成感も格別だな。

和気あいあいとした雰囲気の中、せっせと手を動かす。
終わりよければすべてよし、と思ってた――


「あとは大丈夫だよ。僕たちでやるから。真杉さん、手伝ってくれるよね?」


そんな声が、聞こえるまでは。

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