ガラスの靴は、返品不可!? 【前編】
世界的規模の組織に、対抗できる術なんてわからない。
私に何ができるかわからないけど……でも、絶対に道はあるはず。
「今後については、彼と相談してみます。お話がそれだけでしたら、失礼します。これも、必要ありませんので」
張さんの目の前で、小切手をビリビリに裂いてやって。
留飲を下げた私は、軽く頭を下げて席を立った。
「総帥は、ライアン様を諦めませんよ。絶対に」
「……は?」
独り言みたいにさりげない一言。
けれど、それは確かに私の耳に届いた。
「これはまだ噂ですが、おそらく間違いないと思います。総帥は、ご自分の後継者として、ライアン様を育てるつもりでおられる」
「……え……」
こっ後継者?
意味を掴みかねて、その場に立ち尽くす私へ。
張さんはおもむろに視線を合わせた。
「総帥は、68歳の現在まで独身で、ご兄弟はすでに亡くなられています。隠し子の類もおられません。次期総帥の座は、目下のところグループ内部では最大の関心事。そのレースのトップを走っているのが、ライアン様です」
リーズグループの次期総帥、彼が……?
余りにも大きすぎる話に、思わず膝が崩れ落ちそうになった。