dirty tear
裏切りと牢獄
いつから、自分が人と違うと思い始めたのかはわかりません。

ただ、歳を重ねるごとに心の中で「自分はどこか人と違う」と思うようになっていきました。

私は、高校生になるまで、学校を楽しい場所だとは思えませんでした。

それはきっと、私がいじめられる側の人間だったからだと思います。そして、勉強も運動も何の取り柄もない劣等生だからだと思います。

小学校に入学してすぐに、私が算数が理解できないことに両親は気付きました。先生が一生懸命教えて、やっと理解できます。しかし、その時にはもう周りのクラスメートたちは、もっと難しい計算をしていたりするのです。

小学二年生で九九を習うと思います。私が九九を覚えたのは、クラスで一番最後でした。九九を言うテストでいつも間違え、それでもあの時は幼かったので、気にせず「また言えなかった〜」と笑うことができていました。

しかし、算数はどんどん難しくなっていきます。私が苦労したのは、割り算の計算です。どうやって計算したらいいのかわからず、親に訊いても親の説明が全くわかりません。

最終的に、親が怒りながら説明し、泣きながら宿題をしていました。
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