最上階ロマンス
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「う~~…っ! 気持ち悪い…っっ」

カレーパーティーから、数時間後…。。実咲と琢磨は、タクシーから降りマンションに着いていた…


琢磨に、抱き抱えられるように支えられながら…部屋に連れてこられた実咲…

実咲の身体を、ダイニングルームのソファに横たわらせた琢磨は、青白い顔で自分を見上げる実咲に…

「お前…、飲みすぎ…。
なんで、酔っ払うの?」

と、首を左右に回しながら…、琢磨は呆れ顔で、そう言い捨てた…

その、琢磨を恨めしそうな瞳で、見上げる実咲は…

「だって…、あの2人に勧められて…断われなかったから…。。そんなに言わないで…っ」
《お酒…、強くないのに…

成宮くんと佐伯くんに勧められて…、やらかした~!!》

そぅ、力なく答えた実咲に、琢磨は深いため息をついた…

「お前って、ホント! 放っておけないヤツ…」

と、呆れながら呟いた…

「そんなこと。言われても…!
ワイン、美味しかったから…ちょっと、飲みすぎたけど…」
《そりゃ…、

こんなんじゃ。彼の奥さんとしては微妙かもしれないけど。。》

そぅ、意気消沈…なように力なく言った実咲…、琢磨から視線を逸らし、彼から背を向ける…

呆れられても、仕方ない…と、思った。。このまま、放ってかれても仕方ない…と。。

「私、ここで休む…。も、動けない…」
《完全に…、呆れられたよ…っ。》


が。。急に引き戻さた肩先…、実咲は、その唇を塞がれ…喉の奥に微かな潤いを感じた…

琢磨が、ミネラルウォーターを口移しで飲ませ…

唇が離れた瞬間…に、視線がぶつかった…

「放っておけるワケ、ないだろ?」

その、琢磨の行動に実咲は瞬きを繰り返す…、一気に酔いが醒めた…

唇に触れた感触…、彼が何故、自分に口付けをするのか…?

「……っ」
《…【偽装結婚の契約】だから…?》

そぅ…頭に浮かんだ…言葉。。

琢磨は、手に持っていたミネラルウォーターを、実咲に渡し、腰を上げかけた…

「待って!」

咄嗟に、掴んだ…琢磨の腕…。。再び、視線がぶつかった…

「傍にいて…」

今にも…、泣き出しそうな…潤んだ瞳…

自分の口をついて…発せられた言葉が、分からなかった…

酔っていたから…かもしれないが。。


実咲の隣りに腰を下ろした琢磨…、その肩先に触れられ、抱きしめられた…

その次の瞬間…

重なった唇…、軽く触れるだけのキス…


唇が、離れ…。。実咲は、視線を合わせないよう…逸らしながら…


「も…、いい…ごめん。私、どうかしてる…。。酔うと…人恋しくなるんだ。昔から…」
《恋人でもないのに…、

こんな…、恋人にせがむようなこと…

それに……っ


今朝のあの言葉…、これ以上は、ホントに…っ》

そぅ、言った実咲…。。キスする度に、寂しさがつのるような気がした…


「なに、それ? あおってるの?」

そぅ、耳元で聴こえた声…、その声に…声がした方に視線を向ける…と、その頬にキスされた…

「…なに…?」

「ソレ、誘ってるの?」

「…は…っ? 違っ…!」

【違う】…と、言いかけた…瞬間に、再び唇が塞がれ…舌先が滑り込んできた…

「ん…っ! 」
《なに…? これ…?

そう言えば…、久しぶりだ…こういうキス…


あの彼とは、1年もHしてなかった…。。求められていなかった…

あの頃から、他に女の子がいたんだ…


こういうキスは、半年以上も…っ


気持ちいい…》


「部屋、行くか…」

そぅ…、いつにも増して…優し気な声…、瞳に…胸の鼓動が速さを増した…

視線がぶつかり…、拒否する理由もない…

実咲は、頷き返した…

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