最上階ロマンス

それを知ってて…
このままでいていいのかな…っ?》


実咲は、咄嗟に…首を左右に振り…

「いやいやいゃ…っ! ムリでしょ!」
《そんなの、絶対! ダメだゎ~…っ!》

「何が、ムリだって…?」

その、聞き覚えのある声に…、身体がビクっと上下した…実咲はその声が聞こえた…ダイニングルームのドアの方を振り返る…

「…あ。。う…漆原くん…、帰ってたの?」
《全く…、

あたしがこっんなに悩んでいるのに…っ!》

と、喉元まで出かかった恨めし気な言葉を飲み込みつつ…

すぐ様…、腰を上げた実咲…

「何か、食べる?」

「いゃ、こんな時間だし。自分でやるから…」

と、スーツの上着を脱ぎながら…言った琢磨。。実咲は、その上着を受け取り…

「でも…、すぐ出来るし…」
《こんな時間まで、仕事してきたんだもん。

夕食の支度…くらいは…っ!》

実咲は、なるべく琢磨と視線を合わせないようにし…、受け取った上着をハンガーに掛けようと、踵を返した…

が。。

「髪、あげてるの…初めて見た…」

お風呂上がりに、髪をアップにしていた実咲…。。琢磨は、そのうなじに指先を這わせ、その首筋にキスをした…

首筋や背筋がピクっとし…、実咲はすぐ様、琢磨の方を振り返り…

「ちょっと! なに?」

実咲は、自分の首筋やうなじを触らせまいと左手で隠しながら…。。琢磨の方を軽く睨みつけた…

「新鮮だな~…と、思って。
もしかして、首、弱い? 感じてる?」

そぅ、勝ち誇ったような笑顔を見せる琢磨…

「違うからっ!」

実咲は、冷静を保とう…と、琢磨に背を向けた…


が。。


琢磨は、実咲の身体を背中から抱きしめ…

「嘘つくの…、ヘタすぎ。。」

と、明らかに機嫌が良さげな態度を見せる…







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