恋愛境界線

「本郷先生?」

いきなり声をかけられ、振り向くとそこには小川先生が立っていた。

ぼーっとしてたの、見られたか?
追いかけてきたのか。

「何見てるんですか?」

隣に割り込んできて、外に何かを探す素振りを見せた。

「テニスをしている生徒たちを見ていただけですよ」

そう言って、再び廊下を歩き始める。

「本郷先生って…」

まだ付いてくるのかよ!

「何ですか?」
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