恋愛境界線
「雪花は面食いじゃないし、そんなことは関係ないか。じゃあ、俺のこと好き?」

「どうしたの?奏、今日変だよ」

「変?どこが?」

確信した。
やっぱり、奏は気づいてるんだ。
私が、先生のことを好きだと。


「彼女に自分のことが好きかどうか聞いて何が変なの?」

そう言って笑う。

「俺は雪花のこと好きだよ。昔からずっと。他のやつなんて目にも入らなかった。ずっと雪花しか見えなかった。一生好きでいる自信あるよ」


奏の手が汗ばんでいく。
違う、奏じゃなくて私の手だ。
奏の方を見れない。

奏は前を向いたまま、再びゆっくりと歩き始める。

「雪花が引っ越してからさ、バイト始めたんだ。
少しでも多く会いに行けるように。
ちょうど3日前バイト代入ったから、すぐにでも会いに行きたいと思った。
頑張って3日我慢したんだけど、明日まで待てなくてさ」

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