Starlight
教室に入ると岡田くんがまーくんに小声で尋ねる。
「慎!あの後どうなったんだよ!」

昨日の現場を見た生徒から
話が広まっているらしく

クラスメイトの数人が私たちの方を見ている。

「うん。付き合うことになった。」

そう嬉しそうに話すまーくんに

「よかったな!

お前。何年、片想いしてたんだよ!」

そう言って岡田くんは嬉しそうにまーくんに抱きついている。


教室の隅に座る美咲に目を向ける。

「…よかったね。」

そう小声で呟く美咲は泣いていた。

「…みっちゃん。」

美咲に駆け寄り抱きしめる。

溢れ出した涙が止まらない。

「みっちゃん。ごめん。

私、今まで、本当にごめん。

思い出せなくて、いつも助けてくれて、

ごめんね。」

泣きながら途切れ途切れに話す私を
美咲が抱きしめながら
頭を撫でてくれた。

「もう…。本当にあいは鈍感なんだから。」

いつもの優しい美咲の笑顔を見つめる。
口癖の本当の意味がわかった。

「やっと思い出してくれた?」

「うん!」

2人で笑い合う。

「俺の事も!?」

岡田くんが自分を指差しながら聞いてくる。

「うん!…コウくん!」

4人とも泣いていた。

泣きながら笑っていた。


…戻れるかな?


またあの頃みたいに…。

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