三坂くんはまちがってる




私の熱心な説得によって
兄はなんとか食い留まってくれた。

父にも死ぬ気で仕事を探せと念を押し、

ワクワクもウキウキもしない
わたしの高校生活が始まろうとしていた。









___入学式前日、

私はベッドの上で頭を悩ませた。



バイト厳禁な高校で、バイトをする方法。


いかなる理由があっても、
高校生がアルバイトをしてはいけない。

そんな厳しすぎる規則が
私の通う高校にはあった。


そりゃ当然、父が仕事を辞めるとは思ってもいなかったから そんな規則私には関係ないと高を括っていた。


今なら思う。


…その規則すぐにでも蹴破りたい。



「バイト…うーん…バレなければいい話だけど、
絶対バレないなんて保証はどこにもないし…

もしバレたら進路に響くし…」



いや、待てよ。



私の頭に、
一筋の光が線を引いた。



バレなければいいんだ。


絶対にバレなければ。



そうするにはどうすればいい?


高校での容姿と

バイトでの容姿

似ても似つかないくらいのギャップがあれば

もし先生が私のバイト先に来たとしても

私だとは、バレない。










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