教えて、世界。【短編】
「あっ、そーだ。言わなきゃなんないことあるんだった。」

「言わなきゃっていっぱいあるだろ?病気のこともだし、学校を退学したことも。」

僕が呆れたように言うと

「うん、それそれまずはそれな。学校、また来るから。」

「ええっ!本当に?そしたらーー」

「ああ、これからも宜しく、誓先輩?」

誓…先輩?

「一年からまたやり直しだ。」

「ええっ!」

その後も賑やかに僕と彼との話は続いた。

とてもじゃないけど一日では語り尽くせない。

けれど僕たちに時間はたっぷりある。

ありがとう、世界。

今なら教えてくれなくて良かったって思えるよ。

これからも不安に思う日々はあると思う。

それでも僕はこの世界を諦めない。

僕の世界を知ろうと思う。

僕のこの目で確かめるよ。

不良品じゃない、確かなこの目で、

僕はこれからもこの世界を知ることにする。

だってーーー






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