名もない詩集
泣いていた
油断して泣いていた

その涙を見られて
責めてしまった

君も辛いと知っていたのに
かばったその後で
君が眠ったと思って
流した涙を見られて
責めてしまった

今は君が自分を責めている音が
聞こえているのに
足が動かない

悲しみは指先に
うたにして流して
血のような涙を
流して

潰れされて泣いているのに
今度は私が潰してしまった

二人の痛みにいつ終わりが来るの

もうこれ以上
誰も私たちを責めないで下さい


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