行き着く先は・・・甘い貴方の檻の中?
「南條ビバレッジには、社長をはじめ、複数の南條がいます。私のことは波留斗とお呼びください」

「暴君系イケメンの南條さん・・・、いえ、波留斗さんが丁寧な口調だと、S系執事みたいになるんですね」

さくらはスマホを取り出し、波留斗とSNS及び携帯電話の連絡先を交換しながら、そう言って笑った。

「・・・第一印象が悪かったことは認めます。お望みなら、何キャラにでもなりますが」

澄ました顔で佇まいを整える波留斗に、さくらは

「執事も悪くはありませんが、やっぱり波留斗さんは暴君系でないと・・・気持ちが盛り上がりませんね」

と言って笑った。

「次にこちらを訪れるときは、mirayを完全プロデュースしてきます。ここでは、波留斗さんも私を西園寺さくらではなく、mirayとして接してください」

幸い、西園寺さくらについて、家系をはじめとしたバックグラウンドと経歴以外の素性は一般には公表されていない。

桃子のキャラデザインと、その道のプロのメイク・スタイリングの技術をもってすれば、mirayの素性もミステリアスなままに保てるだろう。

こうして、8ヶ月間に渡る2人の奇妙な共同関係が幕を開けることとなった。


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