キミの1番になりたくて
「イテっ」
突然で校舎にそのまま背中がぶつかる。

香椎は胸に顔を埋めてその表情は見えない。ぎゅっと抱きついて俺の質問に答えた。

「私だけに優しい鈴木が好き。ずっと…こと美の友達だから優しくされてるのかと思ってた…勘違いしちゃダメっていい聞かせて…優しい鈴木も、イイヒトの鈴木もぜんぶ、ぜんぶ好き。優しさも笑顔もずっと独り占めしたかった」

そっと彼女の背に手をまわし優しく抱き締める。

「うん。独り占めしてよ。」
そっと顔をあげた彼女は俺にとびっきりの笑顔を見せてくれた。

俺よりはるかに小さい香椎が俺の腕を強くひいた。ふいに彼女の唇が軽く触れる。

「待たされたけど…たくさん女の子に告白されたでしょ…少しは自覚して?優しくてイイヒトはモテるんだよ?私だけずっとみていてね」

「俺以上にもてるくせに…学年一可愛いって言われてんのわかってる?」

かわいいやきもちと以外と大胆な彼女がたまらなくいとおしくて、俺からもう一度長く唇を重ねた。
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