果報者
店内には私の声が響いた。



楽しいはずのランチは涙の味に変わり
一生忘れられない味になった。



今思えば辛いのはまこのはずなのに
泣きたいのは、叫びたいのは彼女のはずなのに



志乃、私は大丈夫だよって
まだ決まったわけじゃないからって



まこは笑ってた。
泣きじゃくる私の背中を
優しく撫でてくれた。
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