雨色のてるてるぼーず
「僕の名前は竹中陽です。光湘高校の高校2年です。突然話しかけてすみません…」





これから会うかもしれないその女の子に話しかける言葉を考えながら本橋女子に向かう道を歩く。




「おーい陽！着いたぞ！ってか…」




なんて運が悪いのか。





『休校のため御用の場合は職員室に電話してください。 』の看板が立ててあった。





ショックは大きく、僕はそこでしばらく立ちつくしていた。





「まぁ…こればっかりは俺らの運のなさを呪うんだな。」





寛太はそう言ってもう駅に向かう道を歩き始めているが、僕はそんな気になれなかった。





「会いたかったな…」





そう呟くとポツリ、ポツリと雨が降り出してきた。





「あれ、ははっ。僕、晴れ男なのにな…ショック受けてるから雨なのかな…」





だんだん髪や服が湿ってきたことを感じながら看板を見てそう呟いた。




「陽！風邪ひくぞ！ほら！俺の傘使え。何故か俺2本持ってるからさ。持てよ。」





そういって寛太は開いた傘を俺に差し出す。





「また短縮授業の時に来よう！そしたら会えるかもしれないから！」




寛太の優しさが心を癒す。





「ありがとう…」




「じゃあそろそろ戻るか。」




本橋女子に背中を向け駅へ歩き出した。
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