砂時計が止まる日
私は棚に置いてあるノートを取り出してダイニングのテーブルに座った。
「お母さんなんだって?」
食器を片付けた心菜が顔を覗かせる。
そこには丁寧な文字でメッセージが書かれていた。
おはよう、由羅。
お母さんは今日は1時頃、帰ってきました。お夜食美味しかったです。
今日も頑張ってね。
P.S.
心菜に誕生日何欲しいか聞いておいてね。
私と心菜は二人並んで文章を読んだ。
「心菜、何欲しいの?」
「ん〜、可愛い靴が欲しいかな。」
私はその言葉に了解と返事をした。
キッチンを見ると類が食器を洗ってくれていた。
実は私たち新垣家は母子家庭。
お父さんとの記憶もほとんどない。
気付いた時にはいなかった。
今まではお母さんは家事をしながらの仕事だったけど私が高校に上がる時、私が家事をやるようなった。
家事をしはじめて1年半。
だいぶ慣れた。