砂時計が止まる日


「あっ...」



「あんまり気にしないでいいよ。


おばさんはそういう人だから。

黙って従っておきな。」



私はその言葉に小さく頷いた。



「新垣、足のサイズいくつ?」



「23.5だけど...」



白川君はその言葉を聞いて笑った。



「よかった。

サイズ違ったらどうしようかって思ったよ。」



そう言って彼はピンクの靴を私に履かせようとしてくれる。



「えっ、自分で履けるよ!」



「いいの、新垣は今日はもう頑張ったんだからしばらく僕のお姫様でいて。」



私はそのセリフに言葉を失った。自分でもわかるほど頬が熱くなり、胸の中の何かがキュンと鳴く。



「じゃあ、行こうか。」



彼は私にそっと手を差し出した。

私は戸惑いながらその手に自分の手を重ねた。



エスコートされるなんて経験、今までなくて体中の熱が全て白川君と触れている手に集まっているのではないかと思う。



「そんなに緊張しないでよ。

別に格式の高いパーティーではないんだし。



それに...今の新垣、いつにも増して綺麗だから、大丈夫。」



私は白川君の言葉に耳を疑い、彼を見上げると彼はふい、と顔を背けてしまった。



無言でパーティーの行われているホールに向かう。

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