涙のち、銃声


「しかし・・・

【車当たり捜査の結果、
容疑者が浮上しなかった】

【恐らく犯人は塗装を変えたので、
捜査は振り出しに戻った】

というのは・・・・
我々が“ねつ造”した“嘘”です。」


「・・・・なんだと・・・・。」


「本当は・・・本当は限りなく“黒”に近い容疑者を特定していたんです。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「誰だ・・・・?」


「・・・・・。」


「誰がヒロコを殺した・・・?」


「・・・大石シンヤ・・。
20歳の大学生です・・・。」


「大石・・・・。

それで・・?
何故そいつを逮捕しない・・?」


「・・・・・・・・。」


「・・・・?」


「・・・・・・・・・・。」


「おい刑事さん・・・。」


「大石テツヤ。」


「!!!?」


刑事さんの口から出た名前は俺が・・

いや、この街に住む人間なら誰もが知っている名前だった。

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