次期院長の強引なとろ甘求婚


 素直な気持ちを口にしたものの、熱い顔はますます熱を持つ。

 耐え切れなくなって再びテーブルの上に視線を落とすと、正面から「え、本当に?」と、信じられないといったニュアンスの声が返ってきた。

 すぐさまこくこくと頷いて、本当だということをアピールする。

 恐る恐る視線を上げると、三角先生はじっと私の顔を見つめていた。


「いや、ごめん……まさか、未久さんがそんなこと言ってくれるなんて思ってもなかったから、ちょっとびっくりしてる」

「えっ、なんでですか?」

「なんでって、そういうの今まで感じ取れなかったから」


 三角先生がお店に来るたび、無駄に張り切ってしまったりして、帰られたあとに後悔して反省することは多かった。

 顔を見るとウキウキしてしまう。その気持ちが顔や態度に出てしまっているのではないかと、いつも思い返しては落ち着かなくなっていたのだ。

 結構あからさまに態度に出ちゃってたと心配してたんだけど、もしかして三角先生って……?

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