次期院長の強引なとろ甘求婚


予想はしていたけど、両親からの強烈な質問攻めに湯船に浸かると深いため息をついてしまった。


 いろいろ訊きすぎだよ……。

 私だってまだ、自分の身に起きていることがわかってないくらいなのに……。


 診察に行くと、この間の返事を聞かせてほしいと言われ、予想もしなかった食事のお誘い。

 三角先生も言っていたけれど、私だって彼と食事を共にする未来が自分の身に起こるなんて、考えたことすらなかった。

 交際の申し込みだって、今日改めて迫られて、これは現実のことなんだとやっと実感した。

 何より、三角先生が私と同じように、私に好意を持ってくれていたなんてことが一番信じられなかった。


 ああ、思い出しただけでドキドキできちゃう……。


 素敵だと思っていた人とお近づきになることは人生で初めてで、三角先生と一緒にいる時間は胸の高鳴りが終始落ち着かなかった。


 私……このままいったら、心臓壊れないかな……。


 そんな心配を冗談抜きで本気にしながら、気付けばのぼせるまで湯船に浸かっていた。

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