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「お前、女知りたいんじゃなかったの?
冬華ちゃん以外の女を抱きたかったんじゃないの?
それで冬華ちゃんと別れたんだろ?」


そうだ
冬華しか知らない自分が未熟に思えたんだ


「だったら、何でヤらねぇの?
お前に抱かれたい女いっぱい寄ってきただろ?
片っ端からヤれば?
今なら沢田とヤれば?
沢田が初めてでも
………好きなら触れたいじゃん」


ガツンと殴られた気分だった


沢田から手に触れられた時に感じた感覚


それは………
嫌だったんだ


自分に触れられるのが
相手に触れるのが


「わかったか?
お前は冬華ちゃんが好きで仕方ねぇんだよ!
死んだ目しやがって!
冬華ちゃんの事が好きだから、誰とも出来ねぇんだよ!
そりゃ、世の中には色んな女とセックス楽しむ男も居るだろ
でも、お前はそんな事出来る男じゃないだろ?
好きな女だから抱きたいんだろ?
いい加減目覚ませよ!」

「陽太………
お前だって"遊べるな"って………」

「アホな男たちの口車に乗って、別れるからだろ!
あの時、俺が止めた所でお前は聞いてないだろ
遊びたかったんだろ?
それなのに、何で遊ばねぇんだよ」

「陽太……………俺………!」

「2年も掛けやがって………」


情けない声を出して俯く俺の頭を乱暴に撫でた
現実から目を背けていた


沢田が初めてとか
ゆっくりで良いとか

そんなのただの言い訳だ


俺が、冬華じゃないとダメだったんだ









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