女王陛下のお婿さま


「そうよ! こんなに可愛くて魅力的な幼馴染みをほおっておくなんて、本当に馬鹿だわ!」


 少し拗ねたように怒るアルベルティーナが愛しくて、思わずクラウスは笑みをこぼしてしまった。


「……今のこんな俺じゃあ、女王のアルベルティーナには相応しくない、勝手にそう思ってた。でも、違うんだな……俺が好きなのは、幼馴染みのティナなんだ。だから、俺からも言わせてくれ――――」


 クラウスはアルベルティーナの手を取ると、その甲にそっとキスを落とす。




「――――ティナ、俺と結婚してください」




 ポロリと、アルベルティーナの瞳から涙が零れ落ち、クラウスの手を濡らした。


「もちろん、喜んでお受けいたします……!」


 泣きながらアルベルティーナが返事を返すと、クラウスは優しく彼女を抱きしめた。


「その白いドレス、綺麗だな……凄くティナに似合ってる」

「ありがとう。仮縫いのまま走ったから、所々破けてきちゃったけど……」

「ちゃんと縫って、結婚式にはそれを着たらいい。きっとティナの美しさに皆が驚く」

「……クラウスのキザな軽口、久しぶりに聞いたわ」


 アルベルティーナが可笑しくなって笑いだすと、クラウスもつられて笑い。部屋の外にまで声が響くほど、二人は暫く笑っていた。

















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