恋するきみは、だれよりかわいい。
教室できみとふたりきり
月曜日。
日向先輩と会うのは初デートのあと初めて会う。
登校はいつも別々だけど、タイミングがあって日向先輩と校門でばったり会った。
声をかけて隣を歩く。
「先輩、土曜日はありがとうございました」
「こちらこそ。おれ、今月は土日ずっとバイトで放課後くらいしか遊べないかも」
「全然。放課後だけでも遊べてうれしいです」
「じゃあ、また連絡するね」
靴を履き替えて、お互いの教室に行く。
……いつも通り、だよね?
わたしの気にしすぎだったのかな?
自意識過剰だったのかな?
わたしが考えたところで、あのときの行動や考えは日向先輩にしかわからない。
でも、そんなこと聞ける勇気もない。
「うーん……」
「よ、桜音。楓さんといい感じじゃん」
「あ、てっちゃんか」