小さなパン屋の恋物語◆続編完結しました◆
今まで自分の働き方について考えたことがなかった。
ただがむしゃらに突き進んできただけだ。

確かに今こうして、お互い休みでパジャマのまま朝食を囲むということは穏やかで心休まる時間だ。
雄大と暮らしはじめて、こんなことは初めてに近い。
すごく大切な時間だと思った。

けれど、それとminamiの縮小がどうしても上手く結びつけて考えることができず、琴葉は悩む。
そんな琴葉に、雄大は優しく「ゆっくりでいいんだよ」と何度もたしなめてくれた。


その日は夕方まで二人でゆっくりと過ごした。
一緒にご飯を作ったり映画を見たり。
夜はまた、いつも通り琴葉が明日のパンの仕込みをしようとして雄大に怒られた。

明日も休みだ。
minamiは一週間臨時休業なのだ。
雄大はさすがに一週間の連休は取れなかったが、その代わりに在宅勤務をすることにした。
この機会に在宅勤務を試してみようと思ったのだ。

琴葉は一週間何をして過ごそうかと考えてみたが、結局家でまったり過ごしたり、雄大と二人で外食したり、ブラブラと散歩をしたり。
働いていては絶対にありえないような贅沢な時間の使い方をした。

そのおかげで体の調子もすっかりよくなった。
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