■捕らわれの男■
追体験
「捨て犬か…そんな事もあったな…辛かったよ」


「で、でしょ?…あんな思いはもうしてはいけないわ!」



暫しの沈黙、用を成さない換気扇の乾いた音だけがカラカラと響く。



男は重い口を開く。


「…思いだしたよ全部。」



希望にすがる女の目が食い入る様に男を見る。



「…あの話には続きがあってな…」



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