好きになっては‥‥いけない人

花····

花は、家に入ると
母と父はリビングで
テレビを観ているようだったので
「ただいま。」
「「あ~、お帰り」」
「お風呂に入って寝るね。」
と、声をかけて自分の部屋に上がった。

お父さんが心配して
立ち上がろうとしていたのを
お母さんが止めていたなんて
私は知るよしもなかった。

泣いた顔を二人に見られたら
心配をかけてしまうし・・
何より大輝が心配だった。

私の事を愛していると
言ってくれるが・・
私が大輝さんと会わなければ
彼女も傷つかずに
大輝さんも辛い思いをしなくて
良かったのではないか・・・
と、思い悩んでいた・・


その頃・・大輝は

弱い自分を花に見せてしまった
花が芹那の事で
悩まないと良いが・・
と、思いながら車を運転し
帰路を急いだ。

マンションに着いて
花に
『今、着いた。
今日は、ありがとう。
嬉しかった。』
と、LINEをした。
『良かった、無事について。
ゆっくり休んでね。』
と、花から返事がきた。

芹那に対して気持ちが
あるわけではない

ただ・・芹那の二年間を
無駄にさせてしまったと
申し訳ない気持ちだった。
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